芋を洗う

土蜘を観た翌日国立へ行ったのです。

御ひいき勧進帳
一幕目 山城国石清水八幡宮の場 ─女暫─ 大薩摩連中
二幕目 越前国気比明神境内の場 浄瑠璃「色手綱恋の関礼」清元連中
三幕目 加賀国安宅の関の場 ─芋洗い勧進帳

歌舞伎を観出して4年になるけれど、ひどく偏頗な観劇をしているせいで、実は暫も勧進帳もまだ生で観たことがない(!)
今回、暫より先に「女暫」を、勧進帳より先に「芋洗い勧進帳」を観てしまった。まあ、"ふつうの"勧進帳では生首がポンポン飛ばないことくらいは心得ているつもり。

当日は、自分の方でいまひとつ調子が上がらず。且つ一幕目は正直、雀右衛門さんをまちくたびれた。女鯰はかわいかったが。おかげでその後の幕でぼんやりしてしまった。

三幕目ではいよいよ疲れてきて、富十郎の恐ろしく大きな顔に魅入られたようになる。ドラえもんみたいな弁慶が、軽やかな足どりでそうっと床をなでるのは驚異/脅威。
富樫の思い入れでハッと我に返った(梅玉さんのあまりの恰好のよさに血が逆流)、が時すでに遅し。
でもおかげでラストのお目出度い気分を満喫?できた。いやあびっくりな目出度さですよね。