杏奴小虫

昨日はフィンランドのソプラノ歌手アンヌ・コムシAnu Komsiのリサイタルに行ってきた。チケット2000円は安すぎるが、武蔵野文化会館は遠い…

落ちつきと華やぎを兼ねそなえた魅力的なコロラトゥーラだ。テクニックも申し分なし、声量も立派、北欧系のルックスもすてき(R.ゼルウィガーと同系統の顔立ちとブロンド…似てはないけど)。

北欧・東欧のレパートリー中心の、大衆に迎合しないプログラムも良かった。しっかし聴衆(ほぼ中高年)の反応わかりやすすぎじゃあないですか…

彼女の歌唱で魅力を感じたのは、コロラトゥーラの箇所に入るとテンションが変わるってところです。空気までもが一変するんですよ。かといって身構えるという風でもなく、すんなり入っていける。
狂乱系の、エキセントリックな役柄がよさそう。

伴奏はパリのエ/コール・ノ/ルマルの伴奏法の先生で、さすがに手慣れた伴奏(とくにオペラのアリア)。
個人的にはfの弾き方他、ちょっとしたことがひっかかっていて好きにはなれなかったのだけれど、後半のショパン=ヴィアルドのマズルカop.24-2<少女>はすばらしく良かった。総体的に後半の方がよさがでていた。

このショパン=ヴィアルドのマズルカ、はじめて聴きました。というか声楽化の試みすら知らなかった(恥)。
ショパンの声楽的要素を近ごろとみに意識しているので、非常に参考になった次第。

ポーリーヌ・ヴィアルド、どこかで聞いた名だと思ったら、グルックベルリオーズオルフェオ役で有名なメッツォじゃないですか。
http://www.musicologie.org/Biographies/viardot_pauline.html