新国COSI

寝不足のなか新国のCOSIを観てきた。

もう一度くらい当日券で行くつもりだったけど、もういいや。しかしジャンスを思うと心が乱れる。彼女のフィオルディリージのために、一晩 新国の桟敷席(新国のオペラ見物、何が嫌って、あの4階席の雰囲気ほどいやなものはない)で、まっ平なオケやドン・アルフォンソを聴いて過ごすかー。微妙…

ジャンス──個人的に、様づけで呼びたくなるのは女神役のイメージが強いせい?──のフィオルはほぼ理想形。大袈裟なところが少しもなくて、ゲインズバラ風の容姿もぴったり。生け垣に身をもたせて腕をのばした姿が忘れられない。彼女の2幕のアリアは、劇中で唯一心安らかになれた一場でした。

これでフェルランドがもっとリリカルなテナーだったら、と想像してみる。
全体的に、アンサンブルオペラとしてはあまり楽しめず。6重唱はさすがに練習したって感じだが、1幕の姉妹+アルフォンソの3重唱"Soace sia il vento"なんかがっくし。あんな重唱につかえないアルフォンソってありなの(涙)。

ほかに良かったのはグリエルモで、前に道化師の感想でも書いたけれど、硬軟ともにイケそうなバスバリ。今後が楽しみである。
中嶋さんはレチでの伊語が少々浅くて勿体ない。でもアリアをばっちり決めてくるところは日本人だなあ。アルチーナではタイトルロールを歌うそうな。モルガーナではなく。すごいな。今回聴いて、あの歌手にちょっと似てると思った、えーと、イヴォンヌ・ケニー。

演出はわかりやすい思いつきを配しつつも中途半端な印象を免れないもの。エンディングはオーソドックス。
指揮は…テンポ設定はいいものの、棒読みなオケをもっとなんとかできんものなのか(涙)。アリア中に管が奇天烈な音(いえ音程は合ってるんですけど…)を出すのは心臓に悪いのでやめてくれ…