バリトン・マルタン

今週のBBC Radio 3のVoicesはフランソワ・ル・ルー(Br)*1がきていて、フランスの声楽ジャンルにかんする興味深い話が満載。

ル・ルーといえば、ミンコフスキ&ペリーの<美しきエレーヌ>で、ややお疲れ気味の神官カルカスを歌っていたのが記憶に残っているけど、アバドペレアスなども歌っているんだなー。シリアスモードだと全然発声がちがう。知的で物腰柔らかな話しぶりも結構イメージとちがう(笑)

ル・ルーが自分の声を「バリトンマルタンbaryton-martin」と紹介していた。
検索をかけてみて、オペラ・コミック座の歌手Jean-Blaise Martin (1768-1887)に由来する声種だと知る。*2
ル・ルー自身によると、軽くて明るくて透明感のある、わりと高音域まで出せるバリトンのことをいうんだそうな。
ル・ルーのペレアスやベルリオーズを聴いて、「おーこういう声のことか(たしかに一種独特の色合いがあるな)」とわかったような気になる。

選曲もいい。Reynaldo Hahnのグノー弾き歌いが感激だった。ストリーミングで何度か聴きなおしちゃいそうだ。

フェリシティ・ロットの偉大さは録音では計れないという歌手仲間としての発言も興味深し。