84, Charing Cross Rd.メモ

ヘレーン・ハンフ編著/江藤淳訳『チャリング・クロス街84番地 書物を愛する人のための本』(中公文庫。Helene Hanff, 84, Charing Cross Road, 1970)を読んだ。
NYの文筆業の女性*1とロンドンの古書店とのあいだの往復書簡集。こんな、芋蔓式に読書欲をかきたてられる本が読めて、「こいつぁ春から縁起が良いわえ」な気分。
へレーンの好みも硬派でよい。(「小説ぎらいのわたし」、p.105「読んでない本は買わないというわたしの主義」、p.129「世の中に、悪書や二流の書物ほど軽蔑すべきものはない」)
ひとつ我儘をいや、ものしらずのために、注釈で著書名をアルファベット表記してもらいたかった。
以下、個人用メモ。

★ページを切る →「明治写真鏡」中の記述
p.111 「小口を裁ってないギザギザべり」
p.128 「彼[ピープス(の本)]はここへ来る前は、ページも切らないようなおばかさんのところにいたのです。いまページをスッパ、スッパと切り離しているところ。」
p.185(1960.5) 「...わたし、申し分のないペーパーナイフをとうとう見つけたこと、もうお話ししましたっけ? 螺鈿細工の柄のくだものナイフです。...」

★特に読みたい本

  • ピープスの日記(についての概説本(但し英語)をもっているのに目を通してすらいない私…)
  • ウォルトン『釣魚大全』
  • スターンSterne『トリストラム・シャンディ The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman』(ロブの挿し絵)『センチメンタル・ジャーニー
  • サン=シモン公ルイ・ド・ルーブロワLouis de Rouvroy, Duc de Saint-Simon『回想録』

★et al

サー・アーサー・クイラー・クーチ(1863-1944)="Q"

ジョン・ダン(1572-1631)

ヒレア・ベロック(1870-1953) カトリック文士、徒歩旅行記『ローマへの道』、『イギリス史』全4巻、クロムウェル論、ミルトン論

アイザックウォルトン(1593-1683) 動乱の世相をよそに悠々自適、『釣魚大全』

チャールズ・ラム(1775-1835) 『エリア随想』身辺のこと、心象風景

★ひとこと
p.121 「ブロードウェーの映画館の入場料と同じお値段[...]で、こんなに美しいものを生涯持っていられるなんて、奇妙な世の中ね」(『釣魚大全』)