ピープス氏 自縄自縛

臼田昭『ピープス氏の秘められた日記 ─17世紀イギリス紳士の生活─』(岩波新書、1982)を借りてきて読む。

原文の日記からの引用が手際よく再構成され、新書らしく簡便な本。
今度は全文の邦訳を読みたい。

サミュエル・ピープス、偉大だわ。自家用とはいえ、こんなアケスケな日記、自分は逆立ちしたって書けんわ。
theatre goerのピープス氏、禁劇(節劇)を志すの次第は、読んでいて抱腹絶倒であった。彼、どうやら芝居見物は月イチに抑えるという誓いを立てたらしいのだが…

  • 「芝居に行かないという誓いは、この劇場には該当しない。なぜなら[誓いを立てた]当時この劇場は存在しなかったのだから。...」
  • 「帰り道はわざと歩いて」(宮廷での観劇と同じくらい)安く上げた。金も時間も余分にかかっていない
  • 同僚に芝居をおごられた。「これは招待だから、誓いを破ったとは見なせない」
  • 妻と芝居へ。「彼女の先月分を譲ってもらったのだ。彼女は先月一度も行っていないから。だから誓いは全然破られていない。...」
  • 某氏に「わたしと妻に芝居をおごらせ、その費用はわたしが彼に貸すことにした。──これは誓いの網を一度だけくぐるために発見したインチキである」
  • 某卿にスコットランドの貴族とともに芝居へ連れて行かれた。「一見これは誓いの違反だと認めざるを得ない。けれどそれは望んだことではなく、意に逆らってのことなのだ。[...]だから良心にやましいところなく、誓いは破られていないと言えるし、...」

団地ともおが似たようなことをやっていたような(自作ルールの網の目をくぐる)

宮廷での観劇にも料金がかかるのかーということなど気になるポイント。